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少数株主が持つ非上場株式を売却・現金化する方法|会社への売却、譲渡承認、税金の注意点

7 日前
読了時間: 5分

親から相続した、あるいは昔に出資した非上場会社の株式。配当もほとんどなく、売る先も見つからない。こうした少数株式の相談は珍しくありません。

非上場株式は市場で売れませんが、売却の道がないわけではありません。問題になるのは、誰に、いくらで、どの手続きで売るかです。この記事では、少数株主が取れる現金化の方法と、価格・税金で気をつけたい点を整理します。

※本記事は2026年10月時点の法令に基づいています。個別の事情により結論が変わるため、実際の売却前には専門家にご相談ください。

売却先は大きく3つ

少数株式の買い手になりうるのは、次の3者です。

  1. 発行会社自身(自己株式の取得)

  2. 経営者一族や他の株主、役員

  3. 第三者(取引先、投資家、買取業者など)

多くの非上場会社は定款で株式の譲渡に会社の承認を必要としている(譲渡制限株式)ため、どの相手に売る場合も会社との関わりは避けられません。

発行会社への売却:最も現実的だが税金に注意

会社が自己株式として買い取る方法です。経営者側にとっても株主を整理できる利点があり、話がまとまりやすい相手です。

会社が買い取れる金額には上限があり、会社法上の分配可能額の範囲内でなければなりません。特定の株主から買い取る場合は、株主総会の特別決議も必要です。

税金面では、売却代金のうち資本金等の額を超える部分がみなし配当として扱われる点に注意が必要です。みなし配当は配当所得として総合課税の対象になり、ほかの所得と合算して最高で約55%(所得税・住民税)の税率がかかります。株式を譲渡したときの20.315%の分離課税と比べ、手取りが大きく減ることがあります。

相続で取得した株式には特例がある

相続税がかかった人が、相続で取得した非上場株式を相続税の申告期限から3年以内(申告期限の翌日以後3年を経過する日まで)に発行会社へ売却した場合は、みなし配当課税を受けず、全額を譲渡所得(20.315%)として扱う特例があります。さらに、支払った相続税のうちその株式に対応する部分を取得費に加算できます。

相続した株式の売却を考えているなら、この3年の期限を意識して早めに動くことが大切です。特例を受けるには、売却時までに発行会社へ所定の届出書を提出する必要があります。

他の株主・役員への売却:価格の「時価」がポイント

経営者や同族株主に買い取ってもらう方法です。会社の資金が足りない場合や、経営者が持株比率を高めたい場合に選ばれます。

この方法で問題になるのが価格です。少数株主の手元では配当還元方式による低い評価額でも、同族株主が取得すると原則的評価方式の高い評価額が時価とされます。配当還元価額で売買すると、買い手の同族株主に時価との差額分の贈与税がかかるおそれがあります。

反対に、売り手が個人で買い手が法人の場合、時価の2分の1未満で売ると、売り手側が時価で売ったものとして譲渡所得を計算される(みなし譲渡)ことがあります。誰が誰に売るかで「時価」の考え方が変わるため、価格を決める前に双方の税負担を確認しておく必要があります。評価の仕組みは「非上場株式(自社株)の評価方法をわかりやすく解説」で説明しています。

第三者への売却と譲渡承認請求

第三者に売りたい場合、譲渡制限株式であれば、まず会社に譲渡の承認を求めます(譲渡承認請求)。このとき、承認しない場合は会社または会社が指定する人が買い取るよう、あわせて請求できます。

会社が請求から2週間以内に承認・不承認を通知しなければ、承認したものとみなされます。不承認の場合は、会社または指定買取人が株式を買い取ることになり、価格の協議がまとまらなければ、裁判所に売買価格の決定を申し立てることができます。申立ては買取りの通知を受けた日から20日以内です。

この手続きは期限が短く、書類の不備で請求が無効になるリスクもあります。会社と対立している場合は、弁護士と連携して進めるのが一般的です。

交渉の前にそろえておきたい資料

  • 株主名簿、または自分の持株数がわかる資料

  • 会社の定款(譲渡制限、相続人等への売渡請求の定めの有無)

  • 直近3期分の決算書

  • 相続で取得した場合は相続税申告書と申告期限

特に定款に「相続人等に対する売渡請求」の定めがある場合、会社から買い取りを求められることがあります。相手から提示される前に、自分で株価の目安を持っておくと、交渉で不利になりにくくなります。

よくある質問

Q. 配当還元価額でしか売れないと言われました。本当ですか。

A. 配当還元価額は相続税・贈与税の計算上の評価額で、売買価格を縛るものではありません。会社や同族株主が買う場合には、税務上も原則的評価額に近い価格が時価とされることが多く、交渉の余地があります。

Q. 少数株式の買取業者に売っても問題ありませんか。

A. 法律上は可能ですが、譲渡制限株式であれば会社の承認手続きが必要です。提示価格が適正かどうか、自分で評価の目安を持ってから判断することをおすすめします。

税理士法人agileの非上場株式に関するご相談

税理士法人agileは、株式価値評価の実務経験を持つ公認会計士・税理士が代表を務め、少数株主の立場からの株価算定や、売却時の税額試算をお手伝いしています。会社側からの株主整理のご相談にも対応しています。

 
 
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